企業における人事評価制度について（その１）
ようやく仕事も落ち着いてきましたので久しぶりにブログを更新しようかと思い、今回は私のサラリーマン時代を思い出しながら“人事評価制度”について書いてみようと思います。ちなみになぜこれを書きたいと思ったかと言えば、これこそが私が会社を辞めた最大の要因だったからです（笑）昨今、多くの企業においてこの人事評価制度は“年功序列”から“能力主義”へと変わってきているかと思いますが、基本的に私は大賛成です。それは本当に頑張っている社員が結果を出して会社に貢献したならば、そこに相応の評価や報酬が与えられるのは当然だと思うからです。
ちなみにこの能力主義というのは、業務上求められるスキルや知識などに対する“能力評価”、成果や目標達成度などに対する“業績評価”、意欲や責任感、協調性などに対する“情意評価”、これらの要素で成り立つのが基本かと思います。
では、この人事評価制度の目的とは何なのでしょう？
まずは社員の育成や適正配置による生産性の向上、業績アップを図るため。もう一つに社員の賃金（昇給・賞与）、あるいは等級（昇格）などの待遇面を決めることで社員のモチベーション向上に繋げる意味合いもあるかと思います。ですから、この人事評価制度というのはある程度、社員を納得させる“客観的かつ具体的な根拠”が必要となるはずです。
少し前のブログでコロナ禍における収入についても書いたように、私はサラリーマン時代、自身の評価については “基本給”を最も重要視しておりました。それは何故かといえば「基本給こそが自分に対する評価の積み重ね」であり、それを具体的に数値化したものであると考えるからです。（あくまで自論ですが）
ちなみに32年間務めた会社において、私に対するこの人事評価への不満は多少あった時期もありましたが、概ね高い評価をいただいておりましたので納得感はありました。辞める時には『せっかく評価も高かったのに辞めるのは勿体ない』なんてことを言ってくれる同僚もいましたし（笑）
では、なぜこの人事評価制度が会社を辞める要因となったかというと．．．数年前に社長が代替わりしてからというもの、この会社の人事評価制度など何の意味もないと感じるようになってしまったからです。というのも、この会社で数十年と頑張ってきた生え抜きの社員よりも、中途入社で入ってきた社員の方が軒並み基本給が高いという現象が起きてきたからです。これは新社長体制となってから如実に表れ始めたことで、これが私には到底、理解できなかったのです。
まさか自分自身、勤続年数で30年の差があり、課長職として人事評価を付ける側の人間であったにも関わらず10歳も年下で中途入社１年目の営業マンに基本給を追い越されるなんて夢にも思いませんでした（笑）
ただ、もちろん能力主義ですから勤続年数がどうの役職がどうのは関係ないと言われれば確かにそうなのです。ですが、その営業マンは入社から数年経った今日まで毎年赤字続きで、売上は自身の年収の半分にも満たない、言うなれば会社に対して利益をもたらしたことがないという営業成績だったのです。もちろん、だからといってその営業マンを責めたこともないですし、そんな気持ちはまったくありませんでした。それは本人にしてみれば一生懸命に頑張った上での結果なのですから。
ですが、それと会社に対しての不信感は別ものです。一生懸命に働くのは当然であり、その上で業績（結果）を出した社員が高い評価を得なければおかしいのではないですか？と私は思うのです。
現実として、この会社では年間3千万、4千万と売上げている生え抜きの営業マンよりも年間2百万そこそこの中途入社の営業マンの方が高額な給料をもらっているという構図ができ上がっているわけです。それは私に言わせるなら“能力主義”でもなければ“年功序列”でもない、もちろん冒頭に書いた“客観的かつ具体的な根拠”などどこにもない、ただ“意味の分からない”人事評価制度に変わったということです。
いかがですか？ これを読まれて、この人事評価制度が「間違ってる」と感じるか「正しい」と感じるかは人それぞれかと思いますが、私は「絶対に間違ってる」と今でも思っています。
とりあえず、この話は長くなりそうなんで今回はこのへんで．．．次回は実際に私がとった行動から退職に至る経緯を書いてみたいと思います（笑）
2020年12月26日 23:18
