新型コロナ関連による企業の倒産
以前、コロナ禍における収入の話の中で少しだけこの企業の倒産に関しても触れていたのですが、当時(2020年8月時点)、新型コロナ関連による倒産は全国で480件だったのが、あれからどういう状況になっているかというと、残念ながらやはりすごいことになっていますね。
2020年 840件
2021年 1,787件
2022年 529件(3月末時点) ※3月は過去最多199件
累計 3,156件
これが現在の数字なのですが、今年も3月末時点で529件(昨年比133%)と昨年を上回る勢いで倒産件数が増加している状況で、ここ福岡県においても全国で4番目の倒産件数を記録しています。また、原油・原材料価格の高騰もあり、さらに国民の生活は厳しい状況にさらされ景気の回復などまったく見えてこない状況かと思います。
そういった状況下で、最近になって特別定額給付金の給付が提言されています。
ご存じの通り、これは2020年に全国民に向け支給された10万円給付のことで、実際にこれの2回目が提言されているわけです。前回同様、これが全国民を対象とするのか困窮世帯だけを対象とするのかは分かりませんが、どういう形であれおそらく支給されることでしょう。(現時点では困窮世帯のみを対象とする動き)
ちなみに参院選を見据えた“票集めの公約”という声が非常に多いようですが、あながち的外れな指摘ではないような気はします。ですが、どんな理由であれ、いま生活に困ってらっしゃる方々にとっては本当に死活問題であるため、早急に支給すべきかと思います。もちろん、それが本当に国民の思いに寄り添った政策なのかという点は抜きにして、票集めと言われようが今回の支給には“一時的に”という条件付きで私は賛成です。
ただ、この“一時的に”という部分が私の強く思う部分で、ここまで長引く不況、現在のコロナ禍における経済政策として、この“現金を配る”というやり方はどこまで効果があるのだろう?と疑問に思うからです。当然、“一時的に助かる世帯”は多いでしょうが、あくまで一時的であり一過性の政策に過ぎないはずです。
これで景気が回復するかといえば・・・まったくの別問題ですよね?
極端にいうと山本太郎(議員)が言うような全国民に対し「毎月10万円給付」や「消費税の廃止」など、こういうことが実現できれば景気にも大きく影響を与えるのでしょうが・・・まぁ現実には期待はできないですよね。
で、次に私にも非常に関係してくるところで、それこそ今挙げた「消費税の廃止」どころか、それの真逆ともいえる「インボイス制度」の導入です。これが来年の10月から始まります。
このインボイス制度というのは、ざっくりいうと
年間の課税売上高が1,000万円以下のいわゆる免税事業者はこれまで顧客から消費税を頂いても、それを国に納める必要がなかったわけですが、このインボイス制度の導入によって、これまでの免税事業者から課税事業者にならなければ今後、企業との取引ができなくなるような制度です。つまり、これまで消費税の納税が免除されていた免税事業者からも消費税を納めさせようという制度です。
ここで、もう一度冒頭の数字を確認して欲しいのですが、2020年のコロナ禍が始まって以来、これまで全国で3,156件の倒産を記録している状況で、なおかつ今年の3月末時点でも前年を上回る倒産件数を記録している状況なのです。
それらを踏まえてもなお、このインボイス制度を今やる必要ありますか?
現在、この免税事業者は全国に500万者以上いて、ほとんどの事業者に大きな影響が出るのは目に見えており、かなりの事業者が廃業に追い込まれると予想されています。
それでも橋下徹さんのように「本来、消費税を納めるのは当たり前だ。消費者(サラリーマン等)が納めた消費税をポケットに入れて良いはずがない」という意見を上げる方もいて、そういった考え方も分からないではないです。ですが、免税事業者という制度を作ったのはあくまで政府であり、現在の免税事業者はそれに従って事業を営んでいるというだけで何も法を犯しているわけではないのです。
このコロナ禍の状況下、必死に頑張っている小規模(免税)事業者に対し“消費税をポケットに入れている”という表現は如何なものですかね?
まぁ表現の自由ということなのか・・・
私自身もいずれはこの免税事業者という制度は廃止しなければならないだろうと思います。というのも消費税が導入された1989年の3%から始まり、現在では10%まで税率が上がっていることを考えれば、より不公平感が出てくるのも当然でしょう。
ですが、それをやるのはこの新型コロナの影響で、全国にこれだけの倒産件数が増え続けている今ではないでしょ?ってことを言いたいわけです。
たしかに、これまで政府は新型コロナの影響で売上が減少した事業者を救済するための支援を数々おこなってきました。現在でいえば“事業復活支援金”などがこれに当たりますが、私のような個人事業者でいうとひと月当たり50%以上の売上減少を条件に最大50万円の給付が受けられる非常にありがたい制度だとは思います。
ですが、仮に今年50万円の給付が受けられたとしても、このインボイス制度で「来年からは毎年消費税を納めなさい」ということになれば、本当の意味で救済する気はあるの?って疑問に思わざるを得ないですよね。
もちろん、矛盾を感じてるのは私だけではなく、国会でもこのインボイス制度の廃止あるいは延長を求めている政党も多いようですので、ぜひ頑張ってもらいたいものです。
せめてコロナ禍が、ある程度の終息を見せ、景気の回復が見えてくる段階まで延期すべきではないかと私は思っています。
ちなみに、先ほどの事業復活支援金に対しても少し疑問があって、法人でいうと年間売上5億円以上の企業で最大250万円の給付を受けられますっていうのも・・・どうなんですかね?
年間5億円というと、単純計算でひと月4千万円以上の売上があった企業ですので、それなりに従業員を抱えているはずです。そんな企業がギリギリの経営状況に陥っている事態に250万円の給付金で事業が“復活”できるかといえば考えるまでもないですし、大層なネーミングの割には「う~ん・・・」としか思えないんですよね。
しかも予算2.8兆円のうち半分以上が余りそうだという現状から考えても、なんで規模の大きな企業に対してはもっと増額しないの?と思ってしまいます。
予算を余らせるくらいであればもう少し何とかならないかな・・なんて。
何となくですが、ただ政権を取るための“国民に寄り添ってますよ”感が見え隠れする政策に思えてしまうのは・・考えすぎですかね(笑)
ただ、もちろんこういった救済措置がなかったら、現在の倒産件数3,156件という数字では済んでいなかったということも認識しておかなければならない事実なのですが。
なんか、とりとめなくグダグダな内容になってしまいましたが、私が最近「なんだか矛盾してないか?」と思ってることを並べてみました(笑)
明るいニュースもなく、これからもまだまだ大変な日々が続きますが、みなさん負けずに頑張っていきましょう。
じゃあ、暗いニュースを書くなよって感じですが(笑)
2022年04月14日 12:19