“No Heart No SNS”
これまで何度かSNSによる問題を取り上げてきましたが、今回は元TBS記者の山口敬之から性暴力を受けた伊藤詩織さんに対する誹謗中傷を楽しんでは「いいね」を乱発し、東京高裁から賠償命令を受けて敗訴した杉田水脈政務官所属の総務省が提唱する「No Heart No SNS」という誹謗中傷対策キャンペーンについて紹介するとともに、この杉田水脈という議員がいかに総務省にそぐわない人間なのかを紹介したいと思います。
まずはこの「No Heart No SNS」の意味については「ハートがなけりゃSNSじゃない！」ということで、サイトには「SNSはハートをつなげるもの 誰かを傷つけるためにあるんじゃない！」と掲載されていて、それはもっともなことだと思います。
そして、このサイトにはそれらをブロックする方法や削除依頼の方法なども紹介しており、相談受付窓口などを設置していることについてはとても良い取組みだと思いますので、被害に遭われた方々は一人で悩まずにこういった窓口を利用することで少しでも問題解決に繋がっていくことを強く願います。
ということで、私はこの総務省の取り組みには一定の評価をしますが・・・
ここで問題なのが、この取り組みをおこなう総務省の政務官を務める杉田水脈議員の存在です。それは冒頭にも書きました通りこの議員は性被害にあった女性に対するSNS上の誹謗中傷に対し「いいね」を２５回もおこなっているのです。つまり総務省の取り組みとは対照的にSNSを使った被害女性に対する二次被害を積極的に後押ししてきた人物なのです。
その内容はひどいもので
「枕営業の失敗ですね」
「レイプをされたと虚言を吐き始めた」
「ハニートラップを仕掛けた」
「相手をレイプ魔呼ばわりした卑怯者」
などのツイートに「いいね」を押していたことや、自身のブログ等においても揶揄や批判を繰り返したことで「名誉感情を害する意図があった」と認定され５５万円の賠償命令の判決を受けているわけです。
ちなみにこの杉田議員は安倍元総理の一推しだったわけですが、仮に自身に対して「安倍元総理に対する枕営業だ」などという誹謗中傷を書き込まれたら本人はどう受け取りますかね？ もちろんそのような事実は無いでしょうが、それはこの議員が被害女性にやってきたことと何が違いますか？という話ですよ。
安倍さんに可愛がられていたことで何をやっても安倍さんが守ってくれるとでも思っていたのか、本当に国会議員としての資質を問われるべき人物ですよね。ある意味、これもまた安倍さんが残した負の遺産と言えるのではないでしょうか。
当然、この判決に対しては国会において野党から追及されるわけですが、何を聞いても「答弁を差し控えさせていただきます」の繰り返しに時折り笑みさえ浮かべるという悪態ぶりで、まぁ反省を口にすることも無いわけですが、この議員からすると最高裁に上告する意向ですから反省の弁など今後においても出てくることは無いでしょう。
ただ、めずらしく答弁するとツッコミどころ満載で、野党議員からの「No Heart No SNS」という取組みをご存じですか？という質問に対して「存じ上げません」と信じられないような“珍回答”には「いやいやいや・・・ちょっと待て」と、まさに開いた口が塞がらないといったところです。
言い訳には「その質問は通告をいただいていないので・・・」ということですが、そういう問題じゃないので（笑）
自身が所属する総務省が提唱する取組みを総務省の政務三役、いわゆるナンバー３に位置する政務官たる立場の人間が“存じ上げません”というのはあまりにお粗末すぎる話で、いかに総務省が本腰を入れてやっていないかが明確に分かる発言ですよね。
では、いったいこの議員は毎日何をやってるんでしょうね？ まさか日々、誹謗中傷の投稿を見つけては「いいね」を押しまくってるわけではないでしょうが、政務三役の立場において総務省がやってることを知らないのであれば「じゃあ、どこの誰がやってる取組みなの？」「あなたは何をやってるの？」って話じゃないですか？
さすがに質問した議員からも「あなた大丈夫ですか？」と呆れられていましたが、誰もがそう思うでしょう（笑）
こういった経緯から見ても、総務省として「No Heart No SNS」を本気で提唱する気があるのなら、まずは総務省の中の人間から律するべきだと私は思います。この議員は総務省にいてはいけない人間なのは明らかではないでしょうか。
総務省の政務官が好き放題書き込んで賠償命令まで受けているのに国民に対しては「心ない書き込みはやめましょう」と言っても筋の通らない話で、まさに「どの口が言うとんねん！！」といった反発の声が上がるのも仕方ないですよね。
また、国会では多くの時間を無駄に使い、先日ようやく大臣を辞任した山際大志郎の後に続けとばかりに辞任に向けカウントダウンに入った寺田稔総務大臣といい、まぁよくぞこんな人間らを閣僚に任命したなと、あらためて岸田総理の“人を見る目の無さ”が際立ってますよね。
この岸田総理に対する「もういい加減にしろ」という国民の声が本人に届く日はくるのでしょうかね・・・
2022年11月06日 14:55
