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京セラフィロソフィ(その3)


前回は稲盛さんの経営哲学(フィロソフィ)に対する理解が経営者によって様々であるということを書いたのですが今回は私が過去、実際に経験したお話を書いてみます。
 
 
ただし、これは私が退職を選んだ経緯に大きく関係する話なのでどうしても私の一方的な解釈となり、会社に対して批判的な表現となってしまうことをあらかじめお断りしておきます。本来であれば双方に言い分はあるわけですが、このブログ上でそれを討論するのは不可能ですので・・・
 
 
 
で、ここから本題ですが前回のお話の最後にビッグモーター社を例に挙げ、私が30年以上勤務した会社において新社長のフィロソフィに対する理解や考え方に「共感できない」ということを書いていましたが、その理由は外食産業チェーンを展開する某企業において数年前に大問題となった、ある数字改ざん”という行為をこの会社でもやっていたからです。(分かる方には分かると思いますが、あえて何の数字かは書きません)


少し驚く方もいらっしゃるかと思いますが、ぶっちゃけて言うとこれは盛和塾の塾生による“経営努力”に対し、異論を唱える元従業員(私)のお話ですので賛否両論あって然るべきかもしれません。



ちなみにこの会社における“改ざん”という行為は先ほどの外食産業のように“ある上司が勝手にやっていた”というレベルではなく、ここでは“会社命令”として組織的にやっていました。そして、それをやらされるのがまさにこのお話のタイトルである京セラフィロソフィ”の勉強会メンバーである我々管理職なのですから、この新社長からすると“改ざん”という行為は稲盛さんの経営哲学にある「人間として正しい」という判断であると理解せざるを得ないわけです。
 
 
一方で、稲盛さんの教えではJALの再建の話にも書いたように従業員一人ひとりの意識改革”が重要であると説いているわけです。 であれば、この新社長は我々に対しどのような意識改革”を求めているのか? これが私には理解できなかったんですね。


たしかに以前紹介した“月2千円のコスト削減”に対して“改ざん”によるコスト削減は金額的にも比較にならないほど絶大な効果を生むものの、それを稲盛さんに説明したとして「そういう努力が一番大事なんだ」と大いに褒めてくれるかと言えば私には到底そうは思えず、むしろ“烈火のごとく”怒られると考えるのが普通ではないかと思っていました。


さらに言えば、稲盛さんを前に塾生として“改ざん”の意義を堂々と説明できるのかというのも甚だ疑問でありました。


ただ、私がそう思ってはいても組織である以上、この社内ルール”に従う以外に選択肢は無かったわけですが、私から見れば明らかに“不正行為”であり当然ながらそこに抵抗感がありました。しかし新社長からするとそれは経営努力”となるわけで、そこに至る思考が私とは違ったんですね。


「同じ著書を読んでも私と新社長ではここまで理解が違うものなのか・・・」
 
 
考えてみれば、確かにどんなに名作と言われる映画であってもそれを見た感想や評価は人それぞれ違うように、どんな著書であっても万人が同じ理解とはならないということですね。


当然ながら、私がいくら著書を読み返しても「不正もバレなきゃ正義だ」なんて教えはどこの文言からも読み取れないですし、もちろん「JALを再建するために〇〇記録を改ざんしていた」などの話も書かれていないわけで・・・
 

もしかすると著書の内容ではなく実際に盛和塾では、より実践的な内容としてこのような教えがなされているのか?という、様々な疑念しか生まれてこないわけです。

 
その反面、「“人間として何が正しいのか”これが大切なんです」などと語る新社長に対して矛盾を感じていた私は、この人を講師とする勉強会やレポート提出に何の意味があるのだろうかと、言葉は悪いですが当時はまさに「どの口が言うとんねん?!」という思いでした。(失礼ながら)
 
 
もちろん中小企業でもあり、その当時は業績もあまり良くありませんでしたので経営者であればこういった行為も考えるかもしれません。ですが、逆にいえばそういう状況だからこそ稲盛さんの経営哲学を学んで全社一丸となって意識改革に取り組み業績を上げていこうって話ではなかったのか?そのためのフィロソフィではないのか?・・・と。
 
 
ただ、いくらキレイごとを並べても結局のところ私自身は実際に“改ざん”をやる側の人間でもあるわけで、それが社内ルールであろうが「お前が言うな」という指摘には言い訳のしようもありません。


ですが半面、サラリーマンである以上“会社命令”に背いて人事異動や降格処分をあえて選択する人間がどれだけいるでしょうか?(これ言い訳か 笑)
 
 
それでも私なりの“ささやかな抵抗”として、数カ月ほどは改ざんしていない実際のログのまま“紙”として提出していたのですが、ある時に取締役である総務部長が私のところにやってきて


「なぜ君は(改ざんを)やっていないんだ? 他の管理職は全員やってることだから君もやってくれないと困る」


というような注意(指導?)を受けたわけです。


そこで、私としては良いタイミングだと思い


「こんなことがバレたら一発アウトではないですか?」


と質問したら、その総務部長いわく


「たとえ労基に告発されても〇〇記録は“紙”しか残してないと言い張る。それ以外の証拠は無いから大丈夫だ」


という回答でしたが、これどうでしょう?

 
私の感想を言えば「いやいや、普通に考えてそんなバカな話あるのか?」と。電子記録であるログを残してるから紙は残さないというなら分かりますが、紙だけを残してわざわざログを削除する意味がどこにあるのか?と。そんなバカがどこにいるんだよって話で・・・


まぁ、実際には目の前にいたわけですが(笑)


しかし、この答えこそがまさにこの会社におけるフィロソフィ”そのものだったのです。

 
つまり、フィロソフィ勉強会を主催するこの総務部長にとっても“改ざん”という行為は稲盛さんの経営哲学に反していないという認識なわけで、さらに言えば「労基署から会社を守る」ということがこの総務部長なりのフェアプレイ精神を貫くということであったのかもしれません。

 
一方で、私の考え方というのはその真逆で、そもそも告発されて困るような行為をやらないことこそがフェアプレイ精神ではないのか?と・・・これが稲盛さんの教えだと信じていた私とはかなりの隔たりがあり、もはや埋めようのない認識の違いがありました。

 
ですが、結局のところ会社において何が正しいかという判断は経営者が決めることであり、本来それが“黒”であっても経営者が“白”だと言えば白になるわけで、それが納得できない人間は組織にそぐわないということになるのでしょう。
 
 
いくら従業員が自分なりの正論を主張しようとも、それは会社からすれば社内ルールに対するいちゃもん”としか受け取られない。悲しいかなこれが現実なのです。
 
 
もちろん、他の管理職の中にもこの会社の“フィロソフィ”に疑問を感じている人間はいましたし、むしろほとんどの人間はそうであったのではないかと思います。ですが、それを受け入れて現在も頑張っているのが現実です。そう考えると、それを受け入れられない私が、ごく少数派の人間であり普通じゃないと考えるべきなのかもしれませんね(笑)


例えば、まず多数派の人間がそこで頑張れる理由の一つとして、稲盛さんの経営哲学の中に「公明正大に利益を追求する」という教えがあり、企業というのは利益を追求するのが当り前で、そうでなければ成り立たないということがあるかと思います。これは考えるまでもなく当然のことです。


ですが、そのためには何をやっても良いということではなく「経営は利他の心を判断基準とする」という教えもあるわけです。つまり、自分さえ良ければ(自社さえ儲かれば)という考え方ではなく下請業者なんかも含めた周りの協力者に対しても良かれ”という心(判断)で経営することが大切だと言っているわけですよね。


これについても私が過去のブログに書いた通りで、同僚がこの会社から詐欺まがいの方法で一方的に受託金額を減額されているわけですが、それのどこに利他の心”が存在するのか? 協力者(下請)であったこの同僚に対してどんな“良かれ”が含まれているというのか?
 
 
こういったところも非常に疑問なのですが、もしかすると「あえて人生の厳しさを教えてやった」なんてことですかね?


言い方とすれば変ですが、それを実行した私の元上司や総務部長はそういった詐欺まがい”のことが本来できる人間だったのか? それともフィロソフィによる長年に渡る“意識改革”によってそれができる人間となったのか? そこは興味深いところです。


また、それを指示する新社長はこういった意識を持った人間を多く育てることが「物心両面の幸福を追求する」という大義名分に対する近道だという認識なのか?


少なくともこの一件から私が理解できたことといえば、フィロソフィの導入から現在に至るまでこの新社長の考え方は一貫してブレていないんだな・・・ということと、それが他の役員にも浸透しているということだけですかね。



ちなみにですが、稲盛さんが語られた名言としてこういった言葉があります。


「動機なりや、私心なかりしか」


これは何かを実現(達成)しようとした時にその動機の善悪を常に自問自答し、自分の利益(私心)ばかりを優先させてはならないという考え方です。


もしかするとこの会社がやっていることは


「動機私心なりや、なかりしか」


になってやしないか?と考えるのは私だけでしょうか?



どうですか?ここまでを読まれた方はこの会社の目指すところが稲盛さんの経営哲学にある『人間として何が正しいのか』あるいは『フェアプレイ精神を貫く』という教えに繋がっていると理解しますか?


そして私は管理職として会社の発展のためにやりたくもない行為”を続けていくことで、この先の業績向上を信じて頑張っていくべきだったと思いますか?





ということで今回も長くなりましたので続きはまた次回に

 
2024年04月14日 15:15

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