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指導における的格と適切の違い(その1)


久しぶりのブログ更新となりますが今年も明日で10月になるということで、ふと思ったのがちょうど6年前の今日、私は会社を辞めたのであれからそんなに経ったんだな~と本当に月日が経つのは早いと実感しております。で、この退職に関連することで最近“ある人物”に会った時にちょっとしたモヤモヤ感を感じることがあったのでそれを書いてみようと思います。


まぁ、いつものグチみたいな内容にはなるかと思いますが興味のない方はスルーしてください(笑)

 
ということで本題になりますが、この“ある人物”というのは以前同じ会社に勤めていた女性社員で私よりも2年ほど前に退職していたので、それこそ8年ぶりくらいに顔を合わせたことになりますが、在職中は部署も違ったので一緒に仕事をすることもなければ特に親しかったわけでもありません。ただ、私からすると何となく一目置いている存在だったんですね。

 
というのも、当時この女性社員は20代後半くらいの年齢だったのですが、その割に・・と言っては失礼ですが、自分の意見(要点)をまとめてハキハキと言える女性で、私が20代の頃と比較しても「しっかりしてるな~」と感心していたからです(笑)
 
 
それこそ私が出席していた幹部会において、ただ“黙って座ってるだけ”の管理職も多いなか、年齢や役職など関係なくよっぽど“もの言える”このような社員を出席させた方が活発な意見が出て、少しは意味のある会議になるんじゃないかとさえ私は思っていました。

 
おそらく、彼女のことは新社長も高く評価している感があったからこそ、退職の話を聞いた時には「え?なんで?」と驚きましたが、だからといって当時は私の部下でもない人間に辞める理由を根掘り葉掘り聞くこともしませんし、ただ「勿体ないな・・・」という印象でした。


結局、退職からこれまで何の接点もありませんでしたが、最近になってたまたま仕事で彼女の地元に行くことになったので新しい職場に寄ってみたのですが、そこで当時の話を聞いた内容が何とも言いようのない話だったんですね。

 
もちろん8年ぶりに会って話すことと言えば、前職である同じ会社の話題が中心となるのですが、ここで私が当時疑問に感じていた“なんで?”を聞いてみると返ってきた答えが「あの会社では何を言っても聞き入れてもらえないから」と。


まぁ・・そこに関しては私自身も数年前に退職の経緯について書いたブログの中で“何を聞いても意味がない”という表現をしていましたが、この女性社員は私よりも早くに悟っていたということでしょうか(笑)


ただ、それはこの会社に限らず言ってしまえばどこの会社でもありがちな、まさに“あるある”な退職理由なのですが問題なのは“なぜそう思ったのか?”というところで、ここが重要なんですね。


それは冒頭にも書いたようにこの女性社員は積極的に意見を言える性格だっただけに、ある時に直属の部門長に対し会社に対する意見(要望)を伝えたところ、この部門長からこういった答えが返ってきたそうです。


「あの社長には何を言っても無駄だ。聞く耳など持っていないんだから」


と、まさに一蹴されたことが大きかったようなのです。


とりあえず、それを聞いた私は「はぁ・・・」というため息しか出ませんよね。


ちなみにこの部門長とは私の退職時にも対応された方で、いわゆる塩対応といいますか悪い言い方をすれば“いい加減”な方だったのですが今回この女性社員からの話を聞いて、ある意味でいえば分け隔てなく誰に対しても同じ対応をしているということだけは、あらためて分かりました。


良い意味でとらえるなら「私に対してだけの塩対応ではなかったんだ」と(笑)



しかしながら、こういった発言は“適切”だと思いますか?


 
たしかに部門長とはいえ普通の人間なわけですから常に完璧な対応を求めるのは酷な話で、その時々の状況において言葉足らずなこともあるとは思います。ですが、これは“言葉足らず”ではなく私も何度となくこの方から聞かされてきたセリフなんですね。むしろ私こそ何度このセリフを聞かされたか(笑)


ただ私なりの受け留めとして、それはある程度の役職であったり年齢を重ねた一部の信用できる人間の前だけで発する部門長なりの“グチ”みたいなもんだろうと聞き流せてはいましたが、まさかこんな若い社員の意見に対してまでこのセリフを吐いていたとは、さすがに驚きました。
 
 
もちろん部下の意見や要望に対して何でもかんでも社長まで上げるかって話になると、それも違うと思います。特に若いころは本来間違ってる(無茶な)意見であっても自身は正しいと思い込んでることだって多々あるでしょうし、私にだってそんな時期はあったと思います。

 
そういった時に若い社員を指導し正しい考えに導いていくことが上司の役目であり、そういう理由で社長まで上げないという判断なら私も理解できます。


ですが「社長に何を言っても無駄」という発言はこの若い社員にとって何の指導になりますか?


それを言われて「私が間違ってた」とか「なるほど勉強になった」なんて思う人間がどれだけいると思いますか?
 
 
むしろ私はやる気のある社員ほど気持ちが折れてしまうのではないかと思いますし、結果的にこの女性社員もそうであったからこそ退職を選んだのでしょう。


で、ここで私が言いたいことは“指導とは的確であるべきか適切であるべきか?”ということなのです。

 
 
私からすると今回の「社長に何を言っても無駄」という言葉はあり得ない表現、つまり“適切”ではないと思っていますが、この部門長からすると“的確”な話ではあるわけです。なぜなら自身の経験において確信の話をしているわけですから。


「あの社長は聞く耳など持っていないんだ」と。



ただ、それが例え確信であっても「それを部下に伝えてどうすんの?」って話で、これって「会社に何の期待も持つな」と言ってることと同じだと私は思うんですね。



そんな対応で良ければ私にでもすぐに部門長が務まるし、極端に言えば誰でも務まるよねって話で・・・それで役員報酬が得られるのなら喜んでやりますがなと(笑)



ま、冗談はさておき。



役員ならもっと“適切”な表現はいくらでもあったんじゃないの? と感じてしまうことは過度な期待ですかね?



欲を言えば“的確”かつ“適切”であることがベストなのですが、せめて“適切”だけでも選択してくれていたなら、ひょっとすると彼女も退職することはなかったのではないかと思わずにはいられないということで・・・



続きはまた次回に
2024年09月30日 20:45

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