人として大切なことは筋道か忖度か(番外編)
前回書きました “人として大切なのは筋道か忖度か”というお話ですが、特に続編を書く予定も無かったのですが先日のYahoo!ニュースを見ていたら面白い話が載っていましたので、とりあえず番外編としてご紹介いたします。
それは“かわいがっていた若手社員がなぜすぐに退職するのか”という問題に対して、これを上司が理解できないといった話で、内容的にはキャリア面談をした際にこの若手社員が上司に対して質問した言葉が
「自分がこの会社でもっと成長するためには何が必要ですか?」
ということで、これを聞いた上司はこの前向きな姿勢に対し「彼の成長をサポートしたい」と自らの経験を交えて親身にアドバイスをしたそうで、それに対しこの若手社員も
「いただいたアドバイスを活かして頑張ります!」
と、まさに模範解答というような、上司からすると非常に嬉しい対応を見せたそうですが、この面談からわずか2週間後にこの若手社員は
「次の会社が決まりましたので来月末で退職させてください」
と言ってきたそうです。
まあ、上司からすれば裏切られた感もあるでしょうが、今の時代でいえば“あるある”ですよね(笑)
ちなみに私が書きたかったのはここからで、アメリカの経営学者であるチェスター・バーナード氏は「組織に所属する人間には“個人人格”と“組織人格”の2つの人格がある」と唱えているそうです。
端的に言うと、この若手社員の“やる気”のある発言というのは「この場面では前向きな姿勢を見せておくのが正解だろう」という“組織人格”による振る舞いであり、逆に辞めるつもりで転職先を探していたというのが“個人人格”ということで、これはどちらも本来の自分なわけです。
そう考えると、これはまさに“ビジネススキル”であり、演劇の舞台に例えるならなら“役割演技力”だということが言えるのだそうで、表現は悪いですが上司からするとこの演技力に騙されていたとも言えますが、これに長けた人間ほどビジネススキルが高いとも言えるわけですよね。
つまり、組織で働く人間に求められるのは“個人人格”と“組織人格”を適切にチューニングすることなのだそうで、私は前回これを“人として大切なもの”と“サラリーマンとして大切なもの”は異なると表現しましたが、こちらの“個人人格”と“組織人格”と表現する方が適切でしょうね(笑)
そして、何事もバランスが大事だということも書きましたが、この“人格の使い分け”についても「どちらを重視するべきか」ということではなく2つの人格のバランスが大切であると説いているわけです。
というわけで、概ね私の考え方は経営学者と一致してるのかなと(笑)
そこは冗談として、やはり役職が上がることを望む人ほどこの人格の使い分けが望まれるわけですから、あらためて組織に所属するのは大変だなと思いました。
そして、私には向いていないなということも付け加えておこう(笑)
2024年11月21日 00:28