ライフワークバランスとワークアズライフ
今回は現代における働き方に対する考え方のお話ですが、昨今は“働き方改革”の一環ともいえる“ライフワークバランス”という言葉をよく耳にするかと思います。
ちなみに内閣府の定義には長々と夢物語みたいなものが書かれてありますが、要するにこれからの時代はもっと「仕事と生活の調和」させていく必要があるということで、わかりやすくいえば仕事と生活(プライベート)どちらが大事かではなく、どちらも充実させていくことが重要であり、それを社会全体として目指す必要があるということで、たしかにそれが理想的であるとは思います。
ただ、現実としてそれが可能なのかというと、それはまた別な話で長く会社に勤めていれば、このバランスは必ず崩れていきませんか?
仮に仕事とプライベートの比率は5:5が理想だと考える人がいたとしても、現実的には役職が上がる度に求められることも多くなっていき、人によっては仕事が7~8くらいを占めている方も多いのではないでしょうか。
この比率の差が大きくなるほど、ストレスに感じる人間が多くなるのかと思いますし、だからこそ今の若い世代の多くが“出世を望まない”という考え方になるということも非常によく分かります。
俗に言う“静かな退職”というやつで、必要以上に頑張らない働き方ですね。私は正直、この考え方が好きかと聞かれれば、そうではないので勧めることはありませんが、多くを望まない人が別に悪いとも思わないので否定することもありません。
むしろ頑張り過ぎて心が病んでしまうくらいなら、こちらを選ぶべきではないでしょうか? まさに、この“静かな退職”というのもワークライフバランスを重視した考え方(働き方)ですよね。
ちなみにあるYouTubeチャンネルで、この“静かな退職”を選んだ若者たちの声を聞いていたら、いまの会社でいくら頑張ったところで報われることはないし“コスパが悪い”と話していたのには、ちょっと笑っちゃいました。
ただ、振り返ってみれば私がまだ退職を決意する前に考えていたのが、まさにこの“静かな退職”だったなと・・・もちろん当時はまだこんな言葉はなかったのですが、定年までの残り10年を考えた時に、過去のブログにも書いたように「この会社で真面目に頑張って勤め上げたところで何がどうなるの?」って思うようになったんですね。
つまり、役職が上がればやることは増えるけど、給料は増えない。だったら残りの10年間は「出世など望まずに、気楽にのんびりやろう」という考えに変わりました。(最終的には退職を選びましたが、それくらいバカバカしく思えて)
そう考えると、まさにこの“ライフワークバランス”という考え方は最終的には若者たちが言っていた“コスパ”ってことが的外れではないのかも(笑)
少し話が脱線気味になりましたが、話を本題に戻すとこのワークライフバランスが仕事と生活のどちらにも比重が掛かり過ぎてはいけないという考え方に対して“ワークアズライフ”という新しい考え方もあるよね、というのが今回のお話です。
この考え方はメディアアーティストである落合陽一さんが提唱する働き方で、これまでに述べたワークライフバランスが仕事とプライベートを明確に切り離すことで“バランスよく”を重視する考え方なのに対し、ワークアズライフというのは仕事とプライベートを切り離さない“地続き”で考えるという働き方です。
それは、寝てる時間以外は仕事中でありプライベートな時間でもあるということで、会社勤めのように朝出社して夕方まで仕事をするという拘束された勤務時間では無く、仕事は生活の一部ととらえ自分がやりたい時間に仕事をする。つまり、働いてもいるけど休んでもいるという考え方で、自分の裁量によって働く時間を決めるということです。
これはまさに現在の私の働き方とも繋がるわけで、何の拘束もなく自分がやりたい仕事をやりたい時間にやる。これが私にとっては自身の強みを活かす働き方であって、最もストレスを感じることなくモチベーション維持にもつながっている働き方なんですね。そして結果的にはサラリーマン時代よりも収入は増えているわけです。
まぁ、最近体調を崩して入院した人間が言うのも何ですが(笑)
とにかく、どれだけ働こうとすべては自分の裁量でやってることなので、そこにストレスというのは無縁なんですね。(もちろんゼロとは言いませんが)
ただし、これはどう考えてもサラリーマンにはできない働き方とも言えるわけで
「今日は夕方から出社しま~す」とか「今日は自宅で仕事しま~す」なんか許される会社は、まずありませんよね?(笑)
例えばサラリーマンであれば、単純に8時間労働だと1日の3分の1は仕事をしてるわけですが、これがストレスを感じる時間とイコールになっている人がいるとすれば人生勿体ないよねって話で、そうならないようするには、こういった働き方もあるよってことなんです。
どうしても人生において“仕事”というのは切り離せない。だったら、そこにかかるストレスは少ない方が良いに決まってるわけで、正直なところ私は強いストレスを感じながら仕事をする人に対して尊敬の念を抱くことも無ければ、偉いとも思いません。
だからこそ“辞める辞める詐欺”がダサいと思うのであって、むしろそれを回避する方法を模索する人間の方が圧倒的に尊敬できます。
その方法がワークライフバランスなのか、ワークアズライフなのかってことになるわけですが、私の感覚だと“静かな退職”を含めてワークライフバランスを主張する従業員に理解を示す会社がどれだけあるだろう?という疑問が残ります。
ですが、これを容認する経営者がいればそれもアリだと思いますし、結局どちらが正解ということではなく自分に合ってるのはどっちなのか、一度考えてみることも良いのではないでしょうか?
2025年08月22日 23:52